I. はじめに

サイエントロジーは、教祖的な創設者であるL. ロン ハバードの教えから生まれた「預言的」宗教で、彼は仏教における仏陀ゴータマや、キリスト教におけるキリスト、イスラム教におけるマホメット(今日の三大宗教)と同様の位置に置かれます。 キリストとマホメットとは異なり、ハバード氏は自分が神である、または神の啓示を受けたとは主張しませんでした。 ゴータマのように、ハバード氏は自分は精神的啓発、救済、そして自由への道を発見したひとりの人間であると主張しました。

L. ロン ハバードは成功を収めた著作『ダイアネティックス:心の健康のための現代科学』を1950年に出版しました。 この本は社会人類学的、歴史的および哲学的宗教論議によって裏付けられた公理を用いて、外部世界(混沌)における挫折感に立ち向かう「自己形成の成就」(あるいは「静の生命」の成就)を保証します。 この本の成功により、現在、ダイアネティックスを包含するサイエントロジー宗教が生まれたことは事実です。 「サイエントロジー」という名が由来する科学的な根拠に惑わされてはいけません。 それは現代の宗教であり、現代的である(または現代人に合う)ということから、科学的と称しています。 これに関して、宗教としての一貫性に何の疑いもないイスラム教領域のバハイムズおよびキリスト教領域でのクリスチャン・サイエンスにおける似たような例をここに2件挙げます。

バハイズムは前世紀に始まり、その名は、すでにイスラム系ペルシャにおける宗教運動、バビズムの信奉者であった創設者の称号バハウラー(「神の光輝」)に由来しています。 バハイズムの中でも最も重要な救済論的命題は、科学と宗教の調和です。

クリスチャン・サイエンスはアメリカの預言者メアリー・ベーカー・エディーによって前世紀後半頃に創設されました。 この宗教は心身医学から始まりました。 「精神的な健康」に関するハバード氏の人気著作と同様、クリスチャン・サイエンスもまた1875年に出版されたエディーによる人気著作『科学と健康』から始まりました。 「健康」は、これら預言者かつ著者にとっては「救済」と同じ意味を持ち、これにより多かれ少なかれラテン語の概念である「サルス」を再び始めることになります。

初のサイエントロジー宗教団体は、サイエントロジー教会カリフォルニアという名で1954年に設立されました。 キリスト教会の制度を用いて、この宗教は自らを組織し、完成させました。 サイエントロジー教会は英語圏世界におけるさまざまな都市(カナダ、オーストラリア、南アフリカ、イギリス、アメリカ合衆国)に、またフランス、ドイツ、デンマーク、オランダ、イタリア、スウェーデンにまで広まっています。 その他のヨーロッパ諸国(ベルギー、オーストリア、アイルランド)およびヨーロッパ以外の諸国(日本、韓国、インド、イスラエル、メキシコ)でもサイエントロジーのミッションや教会が存在しています。

II. 教義内容
白書をダウンロード