ドイツ政府内には、ドイツのサイエントロジストをターゲットとする組織的な宗教弾圧を支持し続ける役人たちがいますが、世界的な宗教のひとつであるというサイエントロジーの正当な位置付けに疑問の余地はありません。 サイエントロジーはその神学、宗教実践および組織という面で、完全に確立されたものです。 この宗教の規模と範囲は、世界各国にある1万1000以上のサイエントロジー教会、ミッション、関連組織を含んでいます。
世界中の何百万ものサイエントロジストたちは、宗教の自由を支持し、サイエントロジーの宗教的信条と実践を真摯に信仰しています。 これらの個人ひとりひとりにとって、サイエントロジーは自らの宗教そのものです。 これは世界のいかなる真正な宗教に関しても最も重要な証拠です。実際、アメリカ合衆国最高裁やその他の多くの国々の高等裁判所によって用いられた証拠です。
サイエントロジー教会は「非商業的目的に従事する理想主義団体」と判断したドイツの裁定
ドイツにおける「理想主義団体」とは、非商業的な目的を推進し、慈善団体と同じように社会のために奉仕する団体です。
ドイツの裁判所では、同教会の基金調達、活動および目的を徹底的に検討した結果、それはドイツ憲法によって保護されている宗教上あるいは哲学上の目標に奉仕しているという、疑いの余地のない判断に至りました。
ドイツでは50もの司法裁定においてサイエントロジー教会が認定され、そのメンバーはドイツ憲法の第4条によって付与されている宗教と信仰の自由を保護される権利があると認められています。以下はその例です。
1997年、ドイツ連邦行政裁判所はサイエントロジー教会の理想主義的な性質に関する画期的な判決を下し、重要な先例を定めました。 連邦行政裁判所は、サイエントロジーの宗教的性質を認定しただけでなく、サイエントロジー教会ノイエ・ブリュッケによる基金調達活動に関しても、それは宗教上の目標と信念を推進するための行為であり、何ら不適切な点は見受けられないとしました。
さらに、どのような形態で団体のメンバーがその活動資金を拠出するかは、それを商業活動と見なすかどうかとは無関係である。 団体がサービスを提供し、それに対する報酬を請求すること自体は、商業活動の兆候にはならない。
同裁判所はまた、サイエントロジー教会は商業目的ではなく宗教上の目的に奉仕する理想主義団体であると述べました。
行政裁判所は、理想主義団体が、その会員組織を成立させる手段となるサービスであってかつメンバーシップの関係から独立した他のサービス提供者によっては提供し得ないサービスをその会員に提供している限り、商業活動を行っていることにはならないと判断した。 かかる状況において、起業家の商行為は存在しないからである。1
同様に、ハンブルク上級裁判所による1998年の裁定は、同教会の基金調達活動は完全に適切であるとの判断を示しました。
[同教会] は宗教団体として認識されており、寄付金という形での貢献を通じてその資金を調達する行為は…一般的な観念によれば商業活動ではない。 したがって、[同教会] によって提供されるサービスを通常の価格対サービスの関係という見地から見ることはできない。2
1999年11月、サイエントロジー教会シュトゥットガルトに関する訴訟で、シュトゥットガルト行政裁判所は以下のような裁定を下しました。
当事者の主張と裁判ファイルの広範な内容および証人による証言に基づいて、裁判所は、原告がこの法廷が準拠する過去の判例で述べられている意味での営利の商業活動を営んでいるのではないという確信に達した。3
2002年10月、連邦労働裁判所は、サイエントロジー教会で働いている職員は理想主義的・精神的な目標を動機としているという裁定を下しました。 同裁判所はこの裁定に至る過程で、ドイツ連邦行政最高裁判所による、サイエントロジー宗教の実践は精神的向上を目指すものであり、宗教上の目的に向けられているとした、1997年の画期的な裁定に依拠しました。4
2003年1月、ドイツ連邦財務局は、(1) 国際サイエントロジー・ミッション(SMI)に対し、ドイツにあるすべてのサイエントロジー・ミッションからSMIへの料金支払いを非課税とする文書を発行しました。また (2) サイエントロジー宗教の母教会である国際サイエントロジー教会(CSI)に対し、ドイツにある9つのサイエントロジー教会から同教会が受け取るフィルム・リース料金の支払いを非課税とする文書を発行しました。
2003年12月、バーデン・ビュルテンベルク行政控訴裁判所は、シュトゥットガルトのサイエントロジー教会をその基金調達活動に基づいて商業組織と見なすことはできないとする、上記1999年のシュトゥットガルト行政裁判所による裁定を支持しました。
サイエントロジー組織の目的に関する最近の科学的な検証に基づけば、サイエントロジーの創設者であるL. ロン ハバードの教えが商業活動の単なる隠れ蓑として使われているという疑惑を裏付ける具体的な徴候は存在しない。
同裁判所による評決は以下の通りです。
サイエントロジー共同体バーデン・ビュルテンベルク協会は商業活動に従事しているのではないため、その法的資格を剥奪することはできない。5
2004年3月23日、デュッセルドルフのサイエントロジー教会は、デュッセルドルフ地方裁判所から理想主義団体としての正式な認可を受けました。6
2004年6月、ハンブルク州行政控訴裁判所は、ハンブルクの行政当局がサイエントロジストを差別するために取った措置は、ドイツ憲法第4条によって保護されている宗教の自由に対する権利の侵害であるという裁定を下しました。 同裁判所の裁定により、サイエントロジー教会に属するメンバーの宗教的権利が明確に確認されました。
これにより、原告は個人的、個別的、宗教的あるいは哲学的な信念を自身が単独で公言するのみならず、これを共同体において他の者と共有しており、ゆえに憲法第4条 [宗教ないし信念の自由] による保護を受けるということが立証された。 ドイツ憲法第4条1項によれば、信念および良心の自由と、宗教の宗派ならびに哲学の学派の自由は不可侵である。
サイエントロジー組織の大量の理念は、超越的な内容と、世界における人間の位置と意味を扱う。 生命エネルギー(セータ)の担い手としての不滅の魂、セイタン、MESTと称されている物質宇宙とのその関係、無数の生涯を経験する魂の道筋といった事柄に関する、L. ロン ハバードのこれらの教えが信じられているということ、また人にさまざまな救済の段階を認識させ、より高次の存在(クリアーおよび [機能している] セイタン)へと至る道筋が特定されているということは、これがひとつの哲学的な信念あるいは宗教の一派であることを示す特徴と見なされる。7
ハンブルク州行政控訴裁判所によるこの裁定は、2005年12月に連邦行政最高裁判所が下した裁定によって確認され、これは先例を定める判決となりました。
原告は、サイエントロジストとして活動していることにより、ドイツ憲法第4条1項にしたがってその宗教の宗派ならびに哲学の学派の保護を主張することができる。 [ハンブルクの] 州行政控訴裁判所は、サイエントロジーの教えにおけるかかる表明が宗教の宗派あるいは哲学の学派と称されるに足る諸条件を満たしていると適切に判断した。 したがって、世界全体ならびに人間の生命の起源と目標に関するL. ロンハバードの教えには超越的あるいは内在的関係性を意味する要素が欠けているため、上訴された先の裁定はこれらの用語の不正確な理解に基づいている、という被告人の非難には根拠がない。8
2005年11月、バイエルン州行政控訴裁判所は、ミュンヘンのサイエントロジー教会に関するミュンヘン政府の上告を棄却しました。 同裁判所は、この教会は商業的性質のものではない理想主義的な目的を追求しているとの判断を示しました。
新旧の法人規則によれば、原告 [サイエントロジー教会] は理想主義的な目的、すなわちその使命として、またその信条に基づいて、サイエントロジー教会の理念や教えを普及することを目指している。 この団体の意図に基づいた原告の全体的な振舞いは、団体法において意味するところの、団体の目的から外れ、目的に付随する益を越えるような商業活動を示すものではない。9
サイエントロジー教会による、商業目的や活動を伴わない完全に宗教的な目的と活動は、ドイツおよび世界中の裁判所や行政機関によって徹底的に調査され、確認されてきました。
2009年2月、ベルリン行政裁判所は、ドイツ憲法の第4条に基づく宗教の自由に対するサイエントロジストの権利を支持する画期的な裁定を下しました。 裁判所は、ベルリン市行政当局のシャーロッテンブルク地区事務所によってベルリンのサイエントロジー教会の前に置かれた、反サイエントロジーのプロパガンダをただちに撤去するよう命じました。 この評決に至る過程で、裁判所は、ベルリン市が宗教上の中立を維持し、宗教的事柄に関して客観性を保つというその義務に違反したと判断しました。 裁判所はまた、市の不法行為にはそれを正当化し得る目的は一切なかったと裁定しました。
結論
教会は、ドイツにおけるその教会員に対する差別の事例を1,500以上記録し、国際的な人権機関に証拠を提出してきました。 この情報を通じて、以下のような多くの個人や組織が、ドイツ政府の一部の役人により宗教的少数派への不寛容に関する深刻な状況が存在し続けていると結論付けました。アメリカ合衆国国務省、合衆国通商代表、ヨーロッパ安全保障協力委員会、多数の合衆国議員、宗教的不寛容さに関する国連特別報告者、英エセックス大学人権センター、イギリスの貴族と学者の特別委員会、多くの非政府組織、異宗教間グループ、人権グループ、独立の研究者などです。
宗教差別を引き起こしている役人たちは、サイエントロジー教会とそのメンバーにはドイツ憲法第4条で認められている宗教と信仰の自由の保護を受ける権利があるという、ドイツにおける数多くの法的裁定を受け入れるべきです。
脚注
- German Federal Administrative Court, case no. BVerfG 1 C 18,95, 1997.
- Hamburg Superior Court decision, case no. 330 O 169/97,1998.
- Stuttgart Administrative Court, case no. 16 K 3182/98, 1999.
- Federal Labor Court, case no. 5 AZB 19/01, 2002.
- Administrative Court of Appeal Baden-Württemberg, case no. 1 S 1972/00, 2003.
- District Court Düsseldorf, Association Register no. VR 9371, 2004.
- Hamburg State Administrative Court of Appeal, case no. 1 Bf 198/00, 2004.
- Federal Supreme Administrative Court, case no. 7 C 20.04, 2005.
- Bavarian State Administrative Court of Appeal, November 2005.
サイエントロジーとサイエントロジストがドイツ憲法第4条に基づいて保護されるべきとするドイツの裁判所による裁定
以下は、サイエントロジー教会やサイエントロジストは宗教と信仰の自由を守るドイツ憲法第4条に基づいて保護されるべきであるという評決を含む裁定の一覧です。
- Church of Scientology of Berlin v. City of Berlin, 27 February 2009, Berlin Administrative Court.
- B. v. City of Hamburg, 27 June 2008, Hamburg Administrative Court.
- Church of Scientology of Germany, Church of Scientology of Hamburg v. City of Hamburg, 7 March 2008, Hamburg Civil Court of Appeal.
- B. v. City of Hamburg, 19 December 2007, Hamburg State Administrative Court of Appeal (referred to in #2 above at page 5).
- Church of Scientology of Berlin v. City of Berlin, 29 June 2006, Administrative Court Berlin.
- B. v. City of Hamburg, 15 June 2006, Administrative Court Hamburg.
- K. v. City of Hamburg, 15 December 2005, Federal Administrative Supreme Court.
- Winkler v. State of Bavaria, Federal Supreme Administrative Court, March 2005.
- Celebrity Centre Church of Scientology Munich v. County of Upper Bavaria, 2 November 2005, Bavarian State Administrative Court of Appeal.
- K. v. City of Hamburg, 17 June 2004, Hamburg State Administrative Court of Appeal.
- Church of Scientology of Dusseldorf v. City of Dusseldorf, District Court Dusseldorf, March 2004.
- Church of Scientology Stuttgart v. State of Baden-Württemberg, 12 December 2003, State Administrative Court of Appeal Baden-Württemberg.
- Church of Scientology International v. City of Hamburg, 22 April 2003, State Administrative Court of Appeal Hamburg.
- Church of Scientology International v. City of Munich, 26 March 2003, Munich Administrative Court.
- Z. v. Church of Scientology Berlin, 26 September 2002, Federal Supreme Labor Court.
- Church of Scientology International v. City of Hamburg, July 2002, State Administrative Court of Appeal Hamburg.
- Scientology Mission Ulm v. City of Kempten/Allgäu, 25 November 1996, Administrative Court Augsburg.
- Church of Scientology Bavaria v. Federal Labor Office, 19 January 2000, Social Court Nuremburg.
- Church of Scientology Stuttgart v. City of Stuttgart, 17 November 1999, Administrative Court Stuttgart.
- H. v. Church of Scientology Hamburg, 5 January 1998, District Civil Court of Hamburg.
- Scientology Mission Neue Brücke v. State of Baden-Württemberg, 6 November 1997, Federal Supreme Administrative Court.
- City of Freiburg v. E., 6 February 1996, District Court Freiburg.
- Scientology Mission Neue Brücke v. State of Baden-Württemberg, 2 August 1995, State Administrative Court of Appeal Baden-Württemberg.
- Church of Scientology Hamburg v. City of Hamburg, 16 February 1995, Federal Supreme Administrative Court.
- Church of Scientology Hamburg v. City of Hamburg, 24 August 1994, State Administrative Court of Appeal Hamburg.
- S. v. Scientology Mission Nymphenburg, 30 March 1993, Superior Civil Court Munich.
- Church of Scientology Germany v. State Baden-Württemberg/ABI, 26 August 1992, Administrative Court Stuttgart.
- G. v. Church of Scientology Frankfurt, 27 May 1992, Superior Civil Court of Frankfurt.
- Scientologist v. Newspaper Publishing House, June 1992, Civil Court of Appeal Stuttgart.
- State Attorney with Superior Court Berlin v. Church of Scientology of Berlin, 22 January 1991.
- City of Hannover v. H., 19 September 1990, District Court Hannover.
- Church of Scientology Frankfurt v. City of Frankfurt, 4 September 1990, Administrative Court Frankfurt.
- P. v. Church of Scientology Frankfurt, 7 June 1989, Superior Civil Court Frankfurt.
- Church of Scientology Berlin v. State of Berlin, 12 October 1988, Administrative Court Berlin.
- Church of Scientology Celebrity Centre Hamburg v. City of Hamburg, 17 February 1988, Superior Civil Court Hamburg.
- Church of Scientology of Frankfurt v. City of Frankfurt, 7 October 1987, State Attorney with the Superior Court of Frankfurt.
- Scientology Mission Ulm v. State of Baden-Württemberg, 3 September 1986, Administrative Court Sigmaringen.
- Church of Scientology Germany v. City of Munich, 10 December 1985, Bavarian State Administrative Court of Appeal.
- Church of Scientology Hamburg v. City of Hamburg, 14 October 1985, Administrative Court Hamburg.
- Church of Scientology Germany v. City of Munich, 25 June 1985, Bavarian State Administrative Court of Appeal.
- In re City of Stuttgart v. K., 20 May 1985, District Court Stuttgart.
- In re City of Stuttgart v. M., 30 January 1985, District Court Stuttgart.
- Church of Scientology Germany v. City of Munich, 25 July 1984, Administrative Court Munich.
- X. v. City of Berlin, 11 February 1981, Administrative Court Berlin.
- Church of Scientology Germany v. Federal Republic of Germany, 25 September 1980, Federal Supreme Court.
- S. v. Federal Republic of Germany, 27 August 1980, Administrative Court Frankfurt.
- X. v. Federal Republic of Germany, 14 December 1978, Administrative Court Darmstadt (and appeal of 14 November 1980).
- F. v. Church of Scientology Stuttgart, 8 December 1976, District Court Stuttgart.